【必読】英会話講師としての心得
求められる英語力
英語力はこれからの時代とても大切。
このような言葉は聞き飽きていませんか。
大切と言っても、誰にとってどのように大切なのか全く想像が付きません。
情報が飛び交っている現代社会では、周りの声や世間の慣習に流されがちです。よって、英語力が必要という考え方はもはや「お決まり文句」のようなものになっている、そのように私は感じます。
なぜ英語力が必要なのか、その言葉をもう一度考えてみることが大切です。
中学生にとっては高校受験のため・・・?
高校生にとっては大学受験のため・・・?
社会人にとっては昇級のため・・・?
確かにこれらの理由で英語を勉強することはとても大事なことですが、それだけではなんだかとってもつまならく思えて仕方ありません。
もちろん、中学生にとってはよりレベルの高い高校に入ることが求められています。
そしてこのことも本人の意思とは裏腹に、保護者や私たち講師、そして世間そのものが決めている場合もあるのですが、、、(もちろん本人のモチベーションが既にかなり高い場合など、自ら努力している生徒もたくさんいます。)
しかし、中学生の頃から将来のことまで見据えて毎日過ごしている中学生はほんの一握りに過ぎないのではないでしょうか。
面白い文を見つけたので引用します。
例えば、幼稚園から読み書きをしいられているある子どもが、「今頃からどうしてそんなにお勉強するの」とたずねられて、「ボク、東大に入るの」と答え、さらに「東大に入って何になるの」と問われると、「電車の運転手さんになる」と答えた、という話がある。
ー氏原寛「実践から知る学校カウンセリング」培風館
とても興味深い話です。
中学生に幼稚園児と同じ考え方を重ねるのは少しおかしなことですが、要は「勉強する意義」をしっかり本人が理解する必要があるということです。
ですので、英語力は必要と、ただお決まり文句のように訴えかけるのではなく、なぜ英語力がこの先必要なのかを説明しながら生徒にそのことを伝えていくことが大切です。
しかし実際、一生英語を使わなくても不自由しない人は世の中にたくさんいます。
確かに外国に行きたい・住みたいと考えている人や、将来海外で働いてみたいと思っている人、または外国人の友達を多く作ってみたい人など、日常生活においてインターナショナルな交流を求めている場合には英語は必要とされます。
ですが、生徒の中にも英語を必要としない人は多くいるということを私たち講師も少し頭に入れておく必要があります。英語力は必要と社会的に言われていますが、誰にとっても必要な訳ではないということです。しっかりと問いかける相手を選ぶことも私たち塾講師の役割です。これは差別ではありません。生徒にとっても全く自分の将来と結びつかない科目には身が入らないのが事実なのです。
しかしその一方で、英語力を必要とする道を進む人に欠かせないものが、「英会話力」です。
受験の為の英語だけではなく、英会話力も求められる時代、今後英会話講師の需要も増えてくるはずです。
では実際に、英会話講師としての心得をご紹介します。
英会話講師に求められるスキル
英語講師は、必ずしも英語を話すことが出来なくても問題ありません。実際、中学校英語だけで英会話は成り立つのですが、日本の英語教育そのものが英語を話すことにそこまで力を入れていないため、中学校の英語で満点を取っていた人でさえ英語を話すことが出来る人は少ないと思います。
いわゆる受験のための英語を指導する為には、高校英語までの細かい文法や長文をしっかり読み解く力が必要とされ、英語を話す能力は必要とされません。
一方で英会話講師は、ネイティブ並の会話力を求められる変わりに、そこまで専門的な文法の知識は求められません。採用基準として、英検準1級もしくはTOEIC850点以上が求められることも多いですが、これらは取ろうと思えばそこまで苦労することなく取れる資格です。もちろん、それなりの量の勉強の必要はありますが、英会話講師を目指している人にとってはそこまで難しくないでしょう。
それよりも、英会話講師に最も必要なものはコミュニケーション能力です。
資格の他に、採用基準としては以下のことが求められます。
- 日常英会話がネイティブ並に話せること
- 英語を使ってビジネスの経験があること
- 英語圏に住んでいた経験があること
【発音について】
英会話講師として、きれいな発音が出来るというのは当たり前のことです。英会話講師と名乗る人が思いっきり日本語英語を話していては、生徒がその人から学ぼうというモチベーションが高くなる訳がありません。
しかし、きれいな発音とは一体どのような発音のことでしょうか。
本来英語とはイギリス発のものでしたが、現在中学校や高校で教えているのは全て米語です。文法や単語はアメリカ英語を学び、発音はイギリスのものをというのも不思議な話です。
そもそも、アメリカ人の中にはイギリス人の英語のことを堅苦しいと半ばバカにしたような視線で見る人もいますし、イギリス人の中にはアメリカ英語のくだけ方があまり綺麗でないと思っている人もいます。
ENGLISHという言語も、BRITISH ENGLISHとAMERICAN ENGLISHとでかなり異なるのです。
それに加え、英語を話すのはイギリスとアメリカだけではありません。
カナダやオーストラリア・ニュージーランドなども英語が公用語になっています。
オーストラリアやニュージーランドはイギリスの植民地であっただけに、発音はどちらかというとイギリスより…とは言っても、オーストラリアの先住民であるアボリジニやニュージーランドの先住民、マオリ族などはまた異なった癖のある英語を話しています。そして、例えばニュージーランドでも先住民のマオリ族とイギリスから移住してきた人が結婚すれば、当然その間に生まれた子どもが話すのはそのちょうど中間の英語です。そうなると、一つの国内でさえミックスされた英語を話しているわけです。ニュージーランド国内だけでもそのような環境が生まれるのですから、全世界の共通語となっている英語は一つの発音に統一出来る訳がないのです。
日本人の話す英語はあまりかっこよくない、恥ずかしい、などそのようなことを考える必要は全くありません。
なるべく自然な発音が出来ることは望ましいですが、 自分の発音が恥ずかしいから英会話講師になる自信がないと思って躊躇している方にも、英会話講師になるチャンスはあるのです。
グローバル時代と言われているからこそ、
大切なのは発音にこだわることではなく、コミュニケーション能力に尽きるのです。
留学経験の問われる職業
英会話講師になりたい人は、留学に行くべきだと私は考えます。
留学にはそれなりの費用がかかることは事実です。ちょっと国内に旅行に行くのとは比べ物にならないほど、資金も、そして勇気もいることです。
しかし、留学することによって得られる事を思えば、その資金は妥当な額とも言えると思います。
上記にも述べたように、英会話講師に一番求められるものは「コミュニケーション能力」です。
文法や英作文、長文読解でしたら英語講師から学べます。リスニングスキルを身につけさせたいならば、それは生徒が独学でさえも出来ることです。
英会話講師にしか教えることが出来ないものは、「英語での対話力」です。
これからの時代、外国へどんどん進出しようと考えている企業が求める人材は「英語での対話力に長けている人」に他ならないのです。
留学すると対話力が身に付くというのは、言わずと知れたことです。
日本人には、以心伝心という慣習がありますが、このことは世界では通用しません。アジアの一部でも、日本のように言わずに気持ちを伝えたり、相手の言いたいことを汲み取るなどという習慣のある地域はあるかもしれません。しかし、欧米やヨーロッパなど、ほぼ全世界で共通している認識は、イエスかノーかをはっきり伝えることです。思ったことをしっかり相手に伝えていかない限り、外国で生き残ることは出来ません。日本人として、控えめというのは美徳とも言えますが、グローバル化が進む世の中、しっかりと意見を言う社会にも慣れる必要があるでしょう。留学中、そのようにして自己主張をしていけば、自然と対話力は身に付きます。
よって、英会話講師を目指している方はまず留学に行ってみることをおすすめします。
ちなみに余談ですが、上記に発音はそこまで重要視する必要がないと述べたものの、もし一番クリアな発音を覚えたいのならばカナダへの留学がおすすめです。
発音だけでなく、会話で使う表現もイギリスほど気取らず、アメリカほどくだけていることもなく、オーストラリアやニュージーランドほど先住民とミックスされた英語ではないので、カナダで英語を習得すれば、一番ノーマルな英語を身につけることが出来るでしょう。
その先のことに目を向けて
「塾=受験のため」という認識が広まっているようですが、それではとてももったいない。
中学生にとっては高校受験が人生の一大事のように思えますが、人生はもっと長い目で見るべきです。
そのためにはやはり講師側が、常に生徒に先のこと、将来のことを見据えて日々を過ごしてもらえるように問いかけることが大切です。
受験の為だけに英語が必要という人も中にはいるかもしれません。
私たち講師の中にも、大学受験で英単語をひたすら覚えたものの、大学も就職先も理系だった為にもはや英語はすっかり忘れてしまっている…などという人もいると思います。
生徒の進む道が将来、英語と無関係ならばそれはそれで構いません。
しかし、大学を出てから留学したい生徒、外資系に勤めたいと考えている生徒、さらには英文科を目指している生徒など…
その生徒にとって英語が少しでも必要とされていると感じたならば、受験のためだけに英語を学んでいるのではないということをしっかり訴えかけていくことも私たちの役目です。
英会話講師として生徒に伝えられること
英語講師ならば英語も勉強の科目の一つに過ぎないかもしれません。
しかし、英会話講師としての道を選んだのならば、英会話は勉強ではないということを生徒にしっかり伝えてあげましょう。
英語が話せる喜び、そして英語が話せるようになれば視野や友人関係などの世界が圧倒的に広がること、そして、英会話を身に付けて将来の可能性を広げる楽しさを生徒に感じてもらうことが、成長の鍵です。
参考文献:
「実践から知る学校カウンセリング」氏原 寛 著 培風館